基本

楽曲全体に渡り安定して繰り返される構造化された時間的パターン。メロディ(旋律)、ハーモニー(和声)とともに音楽の三要素のひとつとされる。

有音と無音、音量の強弱、さらに各々の時間配分といった構成要素を複雑に組み合わせた結果、感受可能な組合せとして表現される。この場合、無音が果たす役割はたいへん重要でリズムの根幹と言える。有音と無音の関係は、人の呼吸に近い。両方の組合せがあって初めて成り立つ。

加えて、重要な拍を際立たせる繊細な表現法が多数存在する。 これらは、楽曲のスタイルや形式によって制約を受ける。拍が2という単純なリズムもあるし、拍が32という複雑なものもある。拍にしても1と扱うか、1/2と感じるか、1/32とするかなど様々だ。

当然、重要な拍を担当する楽器の機能上の制約も極めて重要である。例えば、チューバは理論的に正確なタイミングで音を出すことが難しい。しかし、数値に出来ない微妙な遅れ感と、音が出始めてから綺麗な音が出るまでの間が絶妙な味わいを出す。とはいえチューバは基本的にリズム楽器である事に注目していただきたい。そのような間がリズムを彩っているからだ。

以上は、演奏者や理論家の視点といえる。

リスナーは楽曲を聴きながら指でテンポをとり肩をゆらす。 強拍をなぞっているだけの場合もあるが、一まとまりのリズムを楽しんでいる事も多い。

この場合、強拍が無音であっても楽曲を聴くうちに、無音部分にアクセントがあることを体感する場合が多々ある。リスナーは音の有無ではなく楽曲全体で繰り返されるパターンに反応している。 このように、リズムは非言語の世界にありながら、とても強力な伝播力をもっている。